トレーナー通信
-
腕が長くなる?! (木本)
初回のトレーナー通信は木本が担当させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
クラブワントレーニングの代表的マシン「チェストプレス」について。
一見問題なさそうに見えるこのフォーム、実は良くないんです。
肩甲骨が使えていないんです。
遡ること15年前・・・。
トレーニングをする時に私が言われたのが
「背中で受け止めろ!!」
「???」
「どう見ても胸筋のトレーニングなのに、なんで背中なん?」
当時の私は試行錯誤しながら背中で受け止める感覚を探しました。
そしてとうとう見つけたのです。
背中で受けるためのコツを。
体感する方法は以下の通りです。
①「負荷を肩甲骨の移動だけで受け止める。」
ほとんど後ろに行かないですね。
②「肘が90度以上曲がらないようにして受け止める。」
この時に肩甲骨に重さがかかるのを感じてください。
③「肘があまり後ろに行かないように少し浅めに受け止める。」
②の位置から肘が少しだけ後ろに動かされるぐらいでいいです。
この感じがつかめると肩甲骨から上腕骨がつながり、
腕が長くなります(身体の中心から力を発揮することが出来る)。
そしてこのポジションは胸筋を最大限活用できるポジションでもあるのです‼
※ベンチプレスで肩を痛める人はこの使い方が出来ていないのです。
負荷が背中の肩甲骨に乗ってくるのが分かりますか?
肩甲骨と上腕骨がつながるとこんなことが出来るようになります!!
チャレンジしてみてください‼
-
日常レポートからトレーナー通信へ!!
ご好評いただきました日常レポートは2018年12月を持ちまして終了させていただきます。2019年1月からは「トレーナー通信」と名前を変え、各トレーナーによるトレーニング情報を掲載させていただきます。皆様のトレーニングのお手伝いができるよう様々な角度から情報を発信していきますので、是非ご覧ください(月4回更新予定)!!
-
野球S君のトレーニング
小学生の頃からクラブワントレーニングを継続してくれている野球のS君。
早いもので来年は高校生です。
身長もぐんぐん伸びて、クラブワンのトレーナーよりも大きくなりました。
成長と共に様々なマシンを扱えるようになり、特に写真左のエコノミーレッグプレスは200キロ近い負荷もしっかりコントロール出来ています。
トレーニングを継続することで筋肉が発達し、負荷に対応できる身体になるのは当然ですが、クラブワントレーニングの場合、パワーを最も発揮しやすい身体ポジションを獲得することが可能となることがトレーニング効果の特徴の一つです。
トレーニング開始直後は骨盤のポジションが悪く、上手く股関節筋群を働かす事が出来ない方が多くいらっしゃいます。
しかし、様々な動きを股関節筋群に覚え込ませ、骨盤に日常生活では決してとることのないポジションをとらせていくことで、身体全体のポジションに変化が起き始めます。
欧米人のような骨盤のポジショニングが獲得できると、自然と重心位置が前方になり、重心の移動がスムーズなモノに変化していきます。
これと同時に股関節筋群がしっかりと働き出し、膝周囲や下腿部といった脆弱な部位に負担をかけることなく、根幹部から出力する身体の使い方が出来るようになるのです。
筋肉をつけることで強い身体を作るのではなく、骨格のポジションを変えることで出力する部位を変え、これによって弱い部位に負担をかけないような動きを身に付ける。
動作改善の考え方の基本です。
S君!!高校野球に向けて、正しい身体の使い方をマスターしましょう!!!
-
Yさんのトレーニング
身体バランスの改善をメインにトレーニングに来られているYさん。
ここ最近忙しさもあり、トレーニングをする時間を確保出来ていなかったようですが、メニューを短縮メニューに切り替え、短時間で集中的にトレーニングしてくれています。
入会当初は股関節周囲の硬化が強く、日常生活においても強い不快感を感じられていました。
クラブワンでトレーニングを継続される中で、かなり改善が進んだのではないでしょうか?
写真左のインナーエクササイズや写真右の前傾スクワット。両種目共にある程度トレーニングに習熟していなければポジションをしっかり抑えることが出来ません。
特にクラブワンのスクワットトレーニングは、全身の関節群を連動させて動きを引き出すので、ある程度のトータルバランスが必要となります。
クラブワンスクワット動作を可能にするためには、まず各部位ごとのトレーニングを徹底して実施し、これらの動きがしっかりとスムーズになっていなければいけません。
各部位の動きがスムーズになったうえで、全身を連動させて行うスクワット動作を導入する。これがトレーニングにおける基本的な流れです。
一般的なスクワットに対する考え方とは違い、筋力アップを目的にせず、動きを引き出し、全身の連動制を向上させることを目的としたスクワット動作なのです。
-
陸上短距離 Aさんのトレーニング
陸上短距離をされているAさんのトレーニング。
今シーズンは腰の痛みもあり思うようにシーズンを過ごせませんでした。
そこで早々と冬季トレーニングに入り、来シーズンに向けて基本的な動きから見直しをされています。
写真のアイアンクロス。クラブワントレーニングの定番ですが、肩甲骨の回旋運動を引き出し、上肢帯全体の動きの改善と正しい筋肉の収縮を覚え込ませることが可能です。
今回Aさんが取り組まれているアイアンクロスは写真右のようにハンドルが回転することで、手首を回内させることを可能にしたレベルアップバージョンです。
手のひらを内側にかわす動きを動作中に取り入れることで、上腕部の緊張を解き、これが肩甲骨の更なる動きの向上に繋がります。
このような手のひらを内側にかわすような動きは、スポーツの動作改善に必要不可欠な動きです。
ランニング動作の腕振りをとってみても、腕は前後に真っすぐ振られているわけではなく、後方に振られた際に、手のひらが内にかわされながら鎖骨~肩関節を前方に押し出すような動きを作りだします。
この動きによって、肩甲骨がスライドし、背中の大きな筋肉を通じて殿筋~ハムストリングのパワーを爆発させます。
つまり正しい上肢帯の動きは下半身のパワーの発揮を高めるために、重要な要素なのです。
ランニングの世界ではいまだに、腕は脇をしめて真っすぐ前後に振る。これが当たり前のようです。
しかし、これでは肩甲骨の動きに制限がかかり、下半身との連動がスムーズにいきません。
人体の自然な動きを考えるなら、後方に振られた際に脇は開かれ、手のひらが後ろ側を向くべきなのです。
Aさん!!今からじっくりトレーニングで身体作りをして、来シーズンは自己ベストを!!!
-
野球 N君のトレーニング
野球をされているN君のトレーニング。
野球の指導もされているので、ご自身の身体を動かしながら動きのメカニズムについて研究されています。
投球動作の中で股関節への乗り込みと鎖骨周囲の動きにくさを感じているようです。
写真左のインクラインプレス。鎖骨~胸骨周囲の動きを引き出すことで、肩甲骨の更なる動作改善が可能となります。
投球動作においては言うまでもなく重要ですが、ランニング時の腕振りと下肢との連動制をスムーズにする上でもこの部位の動作改善は必要不可欠です。
写真右のマシンスクワット。インクラインプレスで高めた鎖骨周囲の動きが必要となる動作です。
重心を前方に移動されることで股関節筋群のパワーを爆発させ、このパワーを体幹からスムーズに上半身に伝えることで全身運動が完成されます。
一般的なスクワットとは目的も方法も大きく異なり、筋力の強化ではなく、実動作に限りなく近い形で行うことの出来る全身運動なのです。
野球の投球動作やランニング動作、様々なスポーツの動きはこのように力の発揮と伝達がスムーズに行われることによって洗練されたモノとなるのです。
N君!!選手としても指導者としても更なるレベルアップを期待しています!!!
-
登山 Mさんのトレーニング
登山をされているMさんのトレーニング。
忙しい仕事の合間を縫って、トレーニングに来て下さっています。
週に一回でもトレーニングをして肩甲骨・股関節の動きを引き出しておくと、身体バランスは大きな違いをみせるでしょう。
特にMさんのようなデスクワークをメインとされている方は肩甲骨・股関節に関わる筋群が硬化を起こし、機能が著しく低下している可能性が高いでしょう。
このような状態が長く続けば登山だけでなく、日常生活にも影響を及ぼしかねません。
凝り固まった筋肉群を積極的に動かし、使える筋肉に変えていく過程で身体は様々な反応を起こします。
普段動かしてない方向に身体を動かすので、痛みや張りが生じるのは当然のことです。
日常ではとったことのないような関節のポジションをとったり、普段伸ばされることがほとんどない筋肉を引き伸ばしたり、身体を作り変えていくには必要不可欠なことなのです。
正しい関節のポジションで、実動作に限りなく近い筋収縮を促す。そして末端部の力みはなく、根幹部がメインとなって出力する。
正しい力の伝達を身体が習得していくのです。
痛みや張りと表現しましたが、これはむやみやたらに負荷をかけ、筋肉だけを追い込んだ時に感じる疲労感とは全く異なるモノです。
「まるで乾ききった身体に水分が満たされていくようだ。」と表現された方もいらっしゃいます。
Mさん!!トレーニングの頻度を上げて、動ける身体に作り変えていきましょう!!!
-
陸上短距離 Tさんのトレーニング
クラブワンには数多くの陸上競技アスリートが在籍していますが、こちらもそのお一人。
「人生最速」をテーマに日々トレーニングされているTさん。
もとは陸上競技未経験者でしたが、クラブワンでの陸上選手との出会いで短距離走を始められました。
腰椎分離症の影響で仙腸関節周囲の動作不全を感じられており、この改善が記録短縮のカギとなりそうです。
写真右のレッグプレスでは骨盤を立ち上げることで、股関節筋群をメインとした動きづくりが可能となります。
大腿四頭筋の筋出力を出来る限り抑えることで、ランニング時の理想の動きに近づくことが出来るのです。
写真左のリバースディップス。ディップスのレベルアップメニューですが、通常のディップスよりも可動範囲が広く、加速がつきやすいために肩甲骨周囲の動きを引き出すには効果抜群の種目です。
全身をトレーニングで万遍無く動かし、ダイナミックな動きづくりと小さな動きでピンポイントに届かすトレーニングを実施する。
Tさん!!残りのシーズンで自己ベスト更新を目指して頑張ってください!!
-
テニス Kさんのトレーニング
テニスをされているKさんのトレーニング。
クラブワン十年継続会員のお一人です。
十年間トレーニングを継続されていると、マシンでのポジショニングも身体に染み付いていますし、動かし方のコツを修得しているので、トレーニング効果を得やすい状態にあります。
このような状態をつくるには、継続してトレーニングすることと、同じ動作を反復する必要があります。
特にクラブワントレーニングは負荷を挙げることが目的ではなく、正しい動作を身体に覚えこませることが目的なので一つの動作を一定期間しっかりと継続してもらうこととなるのです。
設定された負荷を継続していくと、動かし方が上手くなり、力の入れる局面や力を抜いて惰性で負荷をコントロールする局面、これらをしっかりと感じながらトレーニングすることが出来るようになります。
いい感覚が掴めてくると、重さを上げたくなりがちですが、逸る気持ちを抑えて、ぐっと我慢が必要です。
いい感覚を掴めたら、重さを上げるのではなく、いい感覚の中で更に力感なく、スムーズな動きを心掛けてトレーニングを継続するべきなのです。
慣れたり、飽きたりすると人は変化を求めがちです。トレーニングであれば重さを上げたり、新しい種目に挑戦したくなります。しかし慣れてきてからが動作改善の本当の勝負所なのです。
慣れた動作を変化させることなく、逸る気持ちを抑えて継続する。
トレーニングに変化ばかりを求めるのではなく、現状のトレーニングとしっかり向き合う。
とても大切なことです!!!
-
リハビリ 佐々木さん
リハビリ、機能改善を目的にトレーニングされている佐々木さん。
脳出血の影響から、左足片麻痺があり、この改善に取り組んでこられました。
トレーニングを開始されて3年になります。
来館当初は杖によるサポートが必要でしたが、改善もかなり進み、現在は杖のサポートなしでトレーニングされています。
写真左のインナーは片脚バランスで股関節の外転運動を引き出し、殿筋群の出力を高めます。
片脚でバランスをとらなければいけない上に、股関節の複雑な動きを丁寧に繰り返さなければいけません。
佐々木さんはこのような動きも上手くこなす事が出来ています。
写真右のレッグプレスでは座席の角度によって骨盤を立ち上げ、大腿後面の筋群をメインに出力させます。
このような動作を継続的に実施していると、歩行時や椅子からの立ち上がり等で、股関節を使って地面を押える感覚が身に付くはずです。
アスリートは自然と身に付いている感覚かもしれませんが、一般の方やリハビリをされている方は筋群の硬化による機能不全が起こっているため、股関節を上手く使う感覚がイメージ出来ないのです。
佐々木さんの歩行動作も入会当初と比べると大きく改善されています。
股関節が使えてきている証拠ですね。
佐々木さん。この調子で更なる改善を!!